調査レポート
カスタマーサクセス
竹腰 充偉

ウェビナーを企画するとき、「何曜日の何時に開催すれば参加者が集まるか」は、多くのマーケターが悩むポイントです。「水曜か木曜の午後がいい」「13時が鉄板」という経験則は広く語られていますが、それが実際のデータで裏付けられているかどうかは、意外と検証されてきませんでした。
今回、Biziblが蓄積した約7万人分の参加データを分析した結果、開催日時による参加効率に明確な差異があることが判明しました。さらに、役職や業界によって「参加しやすい時間帯」が大きく異なることも明らかになりました。
以下では、その調査結果を詳しく解説します。
調査対象:Biziblプラットフォームに蓄積された参加者データ(2025年度)
サンプル数:約7万人分の参加データ
分析項目:開催曜日・時間帯・役職・業界別の参加傾向
データ取得方法:申し込みではなく「参加」情報をもとに集計
まず、全データを対象とした開催あたりの参加者数(参加効率)を見ると、上位5スロットは以下のとおりです。
順位 | 開催日程 | 参加効率(人/開催) |
|---|---|---|
1位 | 水曜日 13:00 | 5.61人 |
2位 | 木曜日 13:00 | 4.70人 |
3位 | 火曜日 13:00 | 4.57人 |
4位 | 水曜日 15:00 | 3.83人 |
5位 | 水曜日 11:00 | 3.61人 |
水曜13:00の5.61人/開催は、2位の木曜13:00(4.70人)を約20%上回っており、突出した数値です。また、水曜日だけで1位・4位・5位と3スロットがランクインしており、水曜日全体を通じた参加意欲の高さが見て取れます。
参加者数の絶対数で見ても、水曜13:00(7,264人)、木曜13:00(6,939人)、火曜13:00(5,868人)と、火〜木曜の13:00台が上位を独占しています。

この背景には、いくつかの行動パターンが考えられます。
①昼休みのリマインド確認からそのまま参加
12:00〜13:00の昼休み中に告知メールやリマインドを確認し、そのまま13:00のウェビナーに参加するという流れが生まれやすいです。昼食後の時間帯であることも、集中しやすい環境につながっていると考えられます。
②水曜日は「週の切り替え点」
週の前半(月・火)の業務処理が一段落し、後半(木・金)への準備に入る前の水曜日は、心理的余裕が生まれやすいタイミングです。ウェビナーへの参加ハードルが下がりやすい曜日といえます。
③競合ウェビナーとのバランス
なお、開催件数ランキングでは木曜13:00が1位(1,476件)で、水曜13:00は3位(1,296件)にとどまります。

つまり水曜13:00は「開催が多いから参加者が多い」のではなく、開催数に対して参加者が多い、純粋に参加しやすい時間帯であることが示されています。
「13時が最強」という結論は、全体データで見たときの話です。ターゲットとする参加者の役職によって、最適な開催時間帯は大きく変わります。

一般社員の参加上位スロットは、水曜13:00(1,547人)・木曜13:00(1,285人)・火曜13:00(1,206人)と、13:00台への集中が全役職中で最も際立っています。15:00台の参加が相対的に少ないことも特徴で、業務時間中の参加が難しく、昼休みが唯一の参加機会になっている可能性が高いです。一般社員をターゲットにしたウェビナーは、火〜木曜日の13:00開催が最も有効です。

課長クラスの上位には木曜15:00(767人)が2位に入るなど、昼休みだけでなく午後の業務時間中にも積極的に参加機会を確保しようとするマネジャー層の行動パターンが見られます。13:00と15:00の両方が有効な時間帯であり、参加の時間幅が広いことが特徴です。

全役職の中で部長クラスだけが、15:00台を1位(木曜15:00・505人)に選んでいます。午前中は会議・承認業務が集中しやすく13:00台に参加しにくいため、業務が落ち着いた15:00以降の参加が増えると考えられます。部長クラスへのリーチを狙うなら木曜15:00が最有力です。

経営層は木曜12:00(490人)・火曜12:00(445人)が上位に入り、12時台からの参加比率が相対的に高いのが特徴です。自身でスケジュールをコントロールしやすい立場にあるため、昼休み前から参加できる柔軟な行動パターンが反映されていると考えられます。

個人・フリー・契約社員は木曜15:00・水曜15:00・金曜15:00と、15:00台がTop3を完全独占しており、他の全役職とは根本的に異なるパターンを示しています。昼休みという概念に縛られない働き方を反映しており、スケジュールの自由度が参加時間帯の選択に直接影響しています。

人事・産保スタッフはTop5がすべて13:00台(水・火・木・金・月)で揃う、全役職で唯一の特徴を持ちます。健康管理・人事施策・法改正など業務に直結するウェビナーへの参加意欲が高く、曜日を問わず積極的に情報収集する姿勢が表れています。
業界別の分析では、それぞれの業種の働き方・業務構造が参加時間帯に色濃く反映されていました。ここでは特徴のあった業界を紹介します。

全業種の中で最も特異なパターンを示すのが体操・運動スクールです。火曜11:00(140人)・木曜11:00(86人)・水曜11:00(86人)・金曜11:00(75人)と、11:00台が1〜4位を独占しています。全体で首位の水曜13:00は5位にも入りません。子ども向けクラスが午前中に集中しており、保護者の送迎・見学が終わった後の11時台に情報収集する行動パターンが背景にあります。

全業種でほぼ唯一、月曜10:00(30人)が首位に立つのが教育・スクール(非運動)です。語学スクールや学習塾は週初め月曜の授業開始前にウェビナーで情報収集・教材研究を行う文化があると推測されます。このカテゴリーへのリーチには、月曜午前の開催が有効です。

施設長・院長クラスは木曜19:00(145人)が5位に入る、全役職で唯一夜間帯がTop5入りする層です。日中は施設運営・スタッフ管理・利用者対応に追われており、業務終了後の夜間に参加するという行動パターンが反映されています。このターゲット層には夜間開催の選択肢も有効です。
調査結果をもとに、ターゲット別の推奨開催スロットをまとめると以下のとおりです。
ターゲット | 推奨スロット | 理由 |
|---|---|---|
一般社員・現場スタッフ | 火〜木曜 13:00 | 昼休みが唯一の参加機会 |
課長・係長クラス | 水〜木曜 13:00 または 15:00 | 両時間帯に参加ボリューム |
部長クラス | 木曜 15:00 | 午前の会議後に落ち着く時間帯 |
経営者・役員層 | 火〜木曜 12:00〜13:00 | 昼食前後の短時間インプット |
個人・フリーランス | 水〜木曜 15:00 | 昼休みに縛られない参加スタイル |
人事・産保スタッフ | 曜日問わず 13:00 | 全曜日13:00台に参加意欲 |
体操・スクール系 | 火〜金曜 11:00 | 午前クラスの合間 |
施設長・院長 | 木曜 13:00 または 19:00 | 昼または業務後 |
今回の調査から得られた最も重要な示唆は、「全体最適の時間帯」と「ターゲット最適の時間帯」は必ずしも一致しないという点です。
全体データで見れば水曜13:00が圧倒的に有効ですが、部長層を狙うなら木曜15:00が適切で、スクール業界を狙うなら11:00台、施設長・院長層には夜間開催も選択肢に入ります。
ウェビナーのKPIを最大化するためには、ターゲットとなる参加者の業種・役職を明確にし、その層の「参加しやすい時間帯」に開催日時を合わせることが重要です。まずは自社のターゲット層を確認し、本記事のデータを開催スケジュール設計の参考にしてみてください。
なお、本調査に基づいた貴社に最適な開催日程や、ウェビナーそのものの戦略策定についてのご相談も承っております。お気軽にお問い合わせフォームよりご連絡ください。
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この記事の著者
カスタマーサクセス
竹腰 充偉
前職のクロス・マーケティング社では企業向けにウェビナーを企画・登壇。営業部に所属しながらマーケティング施策にも携わり、リード・商談獲得に大きく貢献。Biziblではレベニュー部門に所属し、カスタマーサクセスとしてお客様の支援を担当。
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